たった一つの質問から分かる会社の特性

 

「人財育成の仕組がありますか?」

この質問をしたときに帰ってくる答えは大抵2つです。

「あります」

「ありますが、外部に任せています」。

 詳しく話を聴いてみますと、「あります」とお答えいただいた社長さんは、

「~のやり方や、~のマニュアル、手順書などに対応した教育はあります」

とのことでした。

これは品質を保つためや皆が同じ作業が効率よく出来るようにするためには必要だと思いますが、それは作業品質向上のための教育であって、人財育成の仕組とはなりません。

また、「ありますが、外部に任せています」とお答えになった社長さんは論外です。

“外部に任せる”という“仕組”があるだけであって、自社に人財育成の仕組みがないので“外部に任せている”のです。

 

何故、大切な人財育成を外部に任せるのでしょう?

 

原点回帰の重要性

元を辿ると─ 創業時代、一人ないし数名でやっていた事業の規模が大きくなるにつれて、「自分の分身が欲しい」と、抱えているシゴト量を「これは誰かに任そう」と分業していくことで、自身の時間を一番割きたい時間に充てるための時間捻出が雇用です。

本来なら、自身の出来ないことをしてくれる貴重な人財なはずですが、事業規模が大きくなるにつれ、「人財」ではなく、人材育成を外部に任せることで育成を放棄した、と言っても過言ではありません。

本来の経営を取り戻す

会社のリーダーである経営者の出来ないことを社員がやる事にこそ、経営者のマインドやDNAを体することが実効力を上げるのに必要不可欠なのですが、残念なことに一番重要な部分が抜けた外部教育を受けたことで、社員が所属する会社のマインドやDNAは欠落しているのです。危うくば、違うマインドやDNAを組み替えられても「具」の字も出ません。

そうした社員は人財ではなく、人材です。取り換えが効くパーツと化し、どんな教育や育成をしても、やっているのは“ただの手法”や“手順”に沿った“従事”のトレーニングであって、量産されるのは「生活のための人材」だけです。

経営者のDNAを全社へ組み込むインストラクター制度

経営者のDNAを体した人財は、志のために事に当たります。それは、経営者の内側から湧き出てくる想いへの共感ともいうべきでしょう。 そのDNAこそが、「生活のための人材」ではなく「志を持った優秀な人財」を生み、インストラクター制度で全体のモチベーションではなく、基準を上げていき、短期で「優秀な人財」を育てることが出来ます。

全社「人財化」した会社の強み

イメージしてみてください。全社が「人財化」した会社の業績はどうなるでしょうか。効率が上がり、生産性も上がる、余ったマンパワーと時間と資金で新しいことが出来るようになる・・・

その強みと人財はかけがえもなく、将来を照らし出し、手放しがたい宝となるでしょう。

 

少しでも思い当たる部分があるのであれば、本来のあるべき人財育成とその仕組み、深く意識する時が来たのではないでしょうか。