「貴社には、社員の現段階を把握していますか?」

という質問に対し、ほとんどの方は

「分かっている」

と言われます。

 

では、どのようにして把握しているのか?と聞きますと、「社内の評価表に沿って行っている」とのこと。ボーナスの査定や評価など、個々やチームの貢献度などを図るための仕組としてはいいですが、そこからどのような傾向が全体的にあるのか、しいては「社員全体=会社全体としてのレベルはどこにあるのか」、を見ることはできません。

 

人材育成の現場では、現状把握をすることが最初に行うのですが、マクロ的視野で見ていくと、全体像が見えてきます。その時に使うのが聞いたことがある方は多いと思いますが「マズローの法則」です。

 

マズローの法則とは、人間が自己実現に向かって成長する段階を見るものですが、1番基礎にある部分が、「生理的欲求」と言われるいわば衣食住や睡眠など、生命を維持していく最低限必要なものです。

 

基礎の上にある2番目の欲求は、「安全の欲求」と言われる段階で、衣食住や睡眠など生きるための基礎が揃ったものを守る、家財を守る、安全性を求める、安定を求める、良い健康や環境の維持などがあります。

 

3番目が、「社会的欲求と愛の欲求」と言うもので、社会から必要とされ社会的役割があり、孤独・追放・拒否から解放されることで集団に属していたい、という欲求が2番目の安全の欲求が満たされると出てくると言われています。

 

4番目の欲求は、「承認・尊重の欲求」と言われ、自身の存在が集団から価値あるものと認められ、尊重されることを望む。この尊重のレベルには二段階あり、一段階目のレベルでは、他者からの尊敬、地位や名声、権威、注目などを得ることによって満たし、二段階目のレベルでは、自己尊重感や信頼感、自律性、技術や能力の習得などがあり、他人からの評価ではなく、自己の評価が重視されるといわれています。

 

5番目の欲求は、「自己実現の欲求」で、自らが持つ能力や可能性を最大限発揮し、自己が求めるものを具現化したい、という欲求で、全ての行動が具現化のために行われるようになるといいます。

 

これが概要的なマズローの法則ですが、実はその上が存在するとマズローが晩年に発表しています6番目に「自己超越の欲求」と言うものがあります。この欲求の特長は、在り方の追求、謙虚さ、多点的な思考、創造的、他人の不幸に罪悪感を覚えるなど、自己を超えた他者への奉仕の欲求と言われています。

 

貴社の社員の傾向として一番多く占めているのは一体どこの段階になるでしょうか。それにより「満たされていない」ところが分かり、次のレベルに上がるために必要なものが自ずと分かるようになります。

 

インストラクター制度は、まさに第6番目の欲求を構築する仕組みであり、「一人はみんなのため、みんなは一つの目的」に向かって進むためのプログラムです。

 

全体の把握は出来ていますか? 自社のレベルチェックに是非活用されることをお勧めします。